Pembrolizumab for advanced anal squamous cell carcinoma (ASCC): Results from the multicohort, phase II KEYNOTE-158 study.
First Author : Aurelien Marabelle, et al.
背景
進行肛門扁平上皮癌は予後不良の癌である。InterAACT試験では、45例の検討ではあるが、初回治療におけるカルボプラチン+パクリタキセル併用療法の奏効割合(ORR)は59%、無増悪生存期間(PFS)中央値は8.1ヶ月、全生存期間(OS)中央値は20ヶ月と報告されている1)。二次治療以降の選択肢も限られており、NCCNガイドライン2)3)では小規模第2相試験の結果4)5)から、ニボルマブとペムブロリズマブの両薬剤が選択肢として挙げられている。
抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブは、KEYNOTE-028試験(マルチコホート第1b相試験)のPD-L1陽性(CPS ≧ 1)肛門管癌コホートにおいて、ORR 17%、奏効期間中央値(DOR)が未到達(< 0.1-9.2+ ヶ月)と、有望な抗腫瘍効果および安全性を示した5)。
今回、固形癌既治療例を対象としたペムブロリズマブの第2相試験であるKEYNOTE-158における肛門扁平上皮癌コホートの結果が報告された。
対象と方法
本試験の対象は、1レジメン以上の標準治療に不応または不耐となった切除不能進行再発肛門扁平上皮癌で、ECOG PS(performance status) 0-1、測定可能病変を有する(RECIST v1.1)、PD-L1の評価が可能な症例とされた。ペムブロリズマブ(200mg、静脈投与、3週毎)は、最長35サイクル、病勢進行または許容できない毒性を認めるまで継続された(図1)。
主要評価項目はORR、副次的評価項目は奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、安全性とされた。
図1 KEYNOTE-158試験デザイン(肛門扁平上皮癌コホート)
結果
KEYNOTE-158試験に登録された患者のうち、112例の肛門扁平上皮癌患者を解析した(表1)。
81.3%が女性、67.0%がPD-L1陽性、74.1%が2レジメン以上の治療を受けていた。